輸入木工機械と作業姿勢

 ジェットのスーパー・ソーを初めて使い始めたころは「随分定盤が高い」と感じました。その後工房の新設で機械の数も増えましたがいずれもアメリカ人の体格を反映して高さがあります。体格によってもちろん感じ方は違いますが、まずこう感じるのはモダン・デザイン化でダイニングテーブル、事務所のワークデスク、パソコンテーブル、机などの高さが70cm+αが圧倒的に多く日常的に見慣れているためだと思います。そこで今ある木工関連のテーブルの高さを測定してみました。(単位cm)

ワークベンチ 86.5 ショーベリ。手加工、手持ちトリマー、卓上ベルトサンダー、スロースピード・ウエット・シャープナーなど
テーブルソー
ルーター・テーブル
89.5
ジョインター 82.5 モバイル・ベースに乗せているので単体より数センチ高い。
プレナー 87 作業量が多い20ミリ前後の切削時。モバイル・ベースに乗せているので単体より数センチ高い。
木工バンドソー 97 モバイル・ベースに乗せているので単体より数センチ高い。
木工旋盤 113 主軸中心の高さ。
バンドソー 90 BS-10K。キャスター付の台に取り付けている。
角のみ 81 キャスター付の台に取り付けている。
ドリルプレス 87 テーブルを一番下げた時の高さ。
金工フライス 87 スライドテーブルの高さ。台付
金工レース 87 主軸中心の高さ。台付
ルーターレース 80 主軸中心の高さ。台付
その他 作業椅子 47 作業スツール 59 工房用パソコンワゴン 86.5(ワークベンチに合わせて)

という結果です。特に前の七つの立ち作業では、使い始めのころは脇が締まらない感じで作業しづらく感じたのですが、慣れるに従い手先や腕だけで素材を動かすのではなく体全体を使うようになり、加工箇所が近くなった事で見やすく、のしかかるような前傾姿勢が改善されたようです。一番高い木工旋盤も慣れ、長時間作業を続けた時でも高さが原因での疲れは感じていないのではと思います。ちなみに使っているキッチンの天板は低いサイズで86.5cm、ショールームで見た高い方は90数センチ(忘れた)。
 そういえばテレビ番組で家電の立ち作業の組み立てラインを見たときも想像していたより随分高く感じました。長時間作業者の疲労改善のため「姿勢評価」というのがあり、作業姿勢と累積時間を計算しポイントが多いほど疲労がたまりやすく改善対象というようです。
http://www.naramed-u.ac.jp/~che/gps/downloads/004katou.pdf#search='作業姿勢'
 実際に見て、作業してみるのが一番いい方法ですが、参考まで。