電動工具を扱う際は、事故・怪我の無い様、十分過ぎるほど注意してください。また全ては
自己責任です。
木工を始めていろいろ木材の切断をしているうちに、切断そのものより、その準備作業に
かなり時間を取られることが分かりました。
・切断線の罫書き
・切断ガイドのセット
どちらもいい加減にするとそれなりの出来上がりになってしまいます。また、引き出しの部材など
同じサイズのものを複数切断する場合も、それぞれの長さ、幅などが微妙に違ってしまいます。
卓上スライド丸鋸があれば一挙に解決なのですが、縦引きが出来ない、専用の作業所が無いので
形状が大きく、重量がある卓上スライド丸鋸は避けたい、また刃が上を向いている丸鋸台は
恐怖感!かあります。そしてそれにもまして何も考えずに他のものに飛びつく事にも抵抗があって、
このスライド台を作ってみました。
ホームセンターではプラスチック製の同じような台が売られていますが、あえて考えて作る事も
楽しみの内です。
約600×400mmのスクラップの21mmベニヤ板に50mm角の角材、そして厚さ3mmのアルミアングルが
主な材料です。アルミアングルには丸鋸のすべりを良くするためエンビのモール(アングル状)を両面テープで
貼り付けてあります。アルミアングルは切り始めにぐらつかないよう、手前に長くしています。
アルミアングルは最初、左側も等辺アングルでしたが、刃を目いっぱい出すとモーター部分の位置が
下がりこのアルミアングルにぶっかってしまうので、左側だけ不等辺アングルです。次の組み立てで
調整しますので台板自身の直線・直角は余り気にしなくていいと思います。
<組み立て>
1.最初に手前の角材を台にネジ止めし、次に一方のアルミアングルを角材に対して直角になるよう取り付け、
そして丸鋸がぐらつきなくスライドするようもう1本のアングルを取り付けます。(プラスチックモールは乗せるだけ)
2.先端側の角材に2本のアルミアングルを、やはり丸鋸がスムースにスライドする幅で取り付けます。
3.先端の角材をクランプで固定し、不要な木材を実際に切断し、先端の角材の位置を左右に動かし
切り口が納得のいく!直角になるよう微調整を繰り返します。OKならば角材を台に固定し、
そしてプラスチックモールを両面テープでアルミアングルに固定します。
スライド台の材料費は数千円で済みました。その他トグルクランプはYahooのオークションで入手、
アルミのTスロットとTボルトはピクチャーレールのもので、入手先はリンクのページを見てください。
手持ちの丸鋸は165mmですので、刃を目いっぱい出すと、台に数ミリ切り込む感じになります。
私が使ったアルミアングルではスライドした時丸鋸の刃カバーがうまく開かず、切断する時はカバーを
開いておかないと駄目でした。従ってその状態での丸鋸の扱いは細心の注意、確認をします。
これは今後の要改良点です。
これで、材料に切断マークをつけさえすれば、あるいは手前側の角材か台にストッパーをつければ
同じ長さの切断が簡単に出来るようになりました。また角度切りも簡単です(45度のケガキ線)。
切断は、台からはみ出したガイド部分に丸鋸を乗せ、回転させてから進めます。
切断の際は材料をしっかり固定しないとキックバックなどで思わぬ怪我をする危険があります。
材料をしっかり固定する、これはどの場合でも鉄則です。
小さな材料の固定、これが意外と難しいのですが、ホームセンターで手に入る金属パーツで作ってみました。
材料は台に6mmの鬼目ナットを埋め込み(台の裏側から)、3mm厚ステー金具を緩やかに曲げたもの、
そして6mmの蝶ボルトです。木材を傷つけないためにはステー金具にゴム、プラスチック等でカバーしたほうが
良いようです。これらの材料は安いものですから、鬼目ナットを台のあちこちに埋め込んでおけば、無理して
Tスロットを使わなくても十分実用的だと思います。
使用している丸鋸は165mmのマキタ M560です。安さにひかれて購入したのですが、
実際に使用していろいろ課題があることが分かりました。
パワー、重量などは平均的?、ベースは鉄板ですが角度切りが出来るようにベースに対して
刃の角度が変えられるようになっています。ベースとモーター部の固定は、角度ゲージがある先端は
しっかりしているのですが、ハンドル側はこの切断角度を変えるためにりベットで止めてあるだけです。
その為、切断する際、力の入れ具合で刃の角度が変わってしまうことが分かりました。
角材を切断すると切り始めと切り終わりで微妙に切り口の角度が違います。
価格の高いアルミベース、造作丸鋸などはこの構造がしっかりしていてぐらつきが少ないようです。
次々と買い換えるわけにも行きませんので、リベットをドリルでサラって取り外し、代わりに6mmの
ボルト・ナットでしっかり止めるようにしました。
切断角度を変える事は今のところほとんどありませんが、その場合はこちらのナットもゆるめて調整します。
こうしても鉄板のベース自体の剛性不足は残るようですが、切り口は多少ましになりました。
May 2002