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静音木殺し

 夜、椅子などの部材の加工が終わり組み立て・接着したい時、金床に置いてホゾをハンマーで叩く木殺しは騒音が問題で、次の日まで待つ事が時々あった。夜のうちに接着出来れば翌日には乾いている。

 「木殺し」について本やネットで調べてみると金槌の丸面で叩く事は共通しているが、目的については微妙に違っている。ちょっと気になるのは「木の繊維を切断しないこと」という記述だが、これが木目に直角方向だけか、それとも縦方向もかがはっきりしない。
「また叩いて圧縮された繊維が水分を吸って膨張し抜けにくくなる」とあったが表面にちょっとだけ付着した接着剤でどれぐらい膨張するか検討がつかない。

 そんわけでこの方法が好ましいかどうかは不明だが、そんな時ふと思い浮かんだのは"ダボ"、接着剤が溝に残って強度を上げるようになっている。これと似た加工をするには・・・
  
何のことは無い、プライヤーのギサギザを使う事。力を入れて挟むのだから多少は圧縮もされるだろう?。回転中心をずらせば色々な厚みにも対応できる。

 上右の円形、小判型のホゾでの実例。
  

 力加減で溝の深さを調整し、一回ごとに回転させながらはさむ事で「静音木殺し?」が出来る。またホゾより外に出る部分まで叩いてしまう事も無い。不要のプライヤーであればグラインダーで先端の平らな部分を切り落とせばもっと使いやすくなる。またギザギザの長さは約35ミリあるので矩形のホゾでも同様に加工できる。

 プロの工房で目撃?した事だが、ビスケット・ジョイントも木殺しをしていた。たまに厚みがあって入らないものもあるが理由はそれだけではないようだ。

APR.7 2010